2010年07月30日

No.761 『旧友について』

   時の急速な経過、万象の移ろいやすさ、死の暴威等々は、悲劇的感情の基盤である。 人類が人生について深刻な考察をめぐらし始めて以後、絶えず彼らはさまざまな逃避の方便を探してきた。 宗教、哲学、詩、歴史等々はすべて、移りゆく万象に永続的な価値を与えようとする試みにほかならない。 個人の記憶が存続するかぎりは、それが幾分かは時の勝利を遅らせ、記念すべき出来事を少なくとも思い出の中で持続させる。 この衝動が一層推し進められると、諸国の王は戦勝記念の石碑を彫らせ、詩人たちは自分の名をその美で不朽にするような言葉で古代の悲話を歌い上げ、哲学者は時が単なる仮象にすぎないと立証する体系を発案する。 空しい努力よ! 石碑は崩れ、詩人の言葉は解読不能となり、哲学者の体系は忘れられる。 にもかかわらず、これら永遠を追求する努力は移りゆく瞬間を価値あらしめる。 
B.Russell 『人生についての断章』 (部分抜粋) 転用者は必ず原典を確認のこと!





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posted by Vigorous at 01:09| 人生 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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