2010年07月05日

No.741 『今後の資本主義の課題、環境、哲学』

   18世紀の終わり、近代哲学が世界中の人々を奴隷状態から解放し、享受の 「自由」 をもたらす社会の構想を示していたとき、世界の人口は約10億人だった。 20世紀のはじめにそれは20億になり、そして一世紀の間でそれは3倍、つまり60億を超えた。 次の50年の間に90億を超えると予想されている。 
  ある人口問題研究所が2006年に行った予測では、2050年に現在の中国が日本並みの生活水準に達したとすると、それだけで資源的には地球がもう一つ必要になるとされる。 あるいはまた、世界の人口が、現在の中国並みの水準になるとき、地球がさらに一つ必要となるとも言われている。 しかもわれわれは、現在、巨大人口国における生活水準の大きな上昇の予想として、インドとロシアを加えなければならない。 
  この地球人口のドラスティックな増加が、われわれのテーマにとって持つ意味はただ一つである。 仮に現在の大きな配分格差の問題が是正され、より多くの現代国家が、人々の生活水準を徐々に向上させる方向に進むとしても、現状のままでは、それは地球資源の消尽という絶対的な限界に突き当たるということである。 そしてそれは結局のところ、財の希少性、そして普遍闘争状態の復活を意味する。 これが、21世紀以後の資本主義がはらむ決定的な問題点ではないだろうか。 
竹田青嗣 『人間の未来』





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posted by Vigorous at 23:11| 社会学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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