2010年06月28日

No.735 『自己責任論にしがみついてしまう貧困当事者』

   「このままでは、自殺を考えるしかありません」 「仕事も底をつき資金も底をつき路上生活となってしまった」 「漫画喫茶で朝の数時間の暖をとるのも最後です」 「今のところ全財産が7円しかありません」 「生活に限界を感じています」 「三ヶ月ほどネットカフェ生活をしていますが、所持金も底をつきました。もう限界です」 「もう死ぬことばかり考えています」 相談メールからざっと拾っただけでも、こんな言葉が並んでいる。
  どうしてもっと早く相談しなかったのか、と言うのは簡単だしかし、ほとんどの人が自己責任論を内面化してしまっているので、生活が厳しくても 「人の世話になってはいけない。何とか自分で頑張らなければいけない」 と思い込み、相談メールにあるような状態になるまでSOSを発信してこない。彼/彼女らは、よく言われるように 「自助努力が足りない」 のではなく、自助努力にしがみつきすぎたのだ。自助努力をしても結果が出てこないことはあるのだから、過度の自助努力とそれを求める世間一般の無言の圧力がこうした結果をもたらすことは、いわば理の当然である。自己責任論の弊害は、貧困を生み出すだけでなく、貧困当事者を呪縛し、問題解決から遠ざける点にある。
湯浅誠 『反貧困』





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posted by Vigorous at 22:38| 社会学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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