2010年05月07日

No.692 『普遍的な原理と中立』

   現代社会の問題は、まずは、公共圏を律するルールを導出しうる、誰もが納得できる普遍的な原理を提起することができない、という点に見ることができる。 このとき、一見中立的に見える、どのようなルールも、特定の公共圏の価値や規範を支持する偏ったものに見えてくる。 
  ヴェトナム戦争中のよく知られた出来事だが、米軍がある村を占拠したとき、 「人道的な配慮」 から、部隊の軍医は、その村の子供たち全員の左腕にワクチンを注射した。 その翌日、ヴェトコンがその村を奪い返したのだが、その際、彼らは、ワクチンを接種された子供たちの左腕を切断してしまったのである。 人道的配慮という中立性そのものが、時として、拒否されている点に注目しなくてはならない。 中立を装う者こそ、最も危険な敵に見えていたのである。 
大澤真幸 『逆接の民主主義』





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posted by Vigorous at 22:10| 社会学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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