2010年04月05日

No.671 『現代の懐疑主義』

   世界の歴史にはおよそ4種類の時代があった。 それは、

(1)万人が自らは万事を知悉していると確信した時代、
(2)皆が自分らは何事も知っていないと考えた時代、
(3)知識層だけは自分の知識を誇り得た反面で、一般俗衆は自分らが無知だと自覚していた時代、そして最後に、
(4)俗衆が知識を誇るに反し、インテリ知識層が自分の知識の価値を疑った時代、

 の4つである。 第一の時代は安定の時代、そして第二は緩慢な衰亡の、第三は進歩の、第四は破滅の時代である。 エディントンのような科学者は、科学によって果たして本当に何かが知られるかを疑問視している。 経済学者は世界の交易についての公認の学説が万人を貧乏に陥れていると感づいている。 政治家は国際協力を保障しもしくは戦争を予防する方策を何一つ発見し得ないし、哲学者は人類に何らかの指針を与えることができない。 積極的意見の持ち主は自分の意見の馬鹿らしさに自分で気付く能力のない馬鹿な連中だけだという事情にある。 この状態が今後も継続するならば、世界は一層取り返しのつかぬ不幸な状態に落ち込もう。 インテリ層の懐疑主義は彼らの社会的無力の原因であり、しかもそれ自体が彼らの怠慢の産物である。 行動に価するいかなる事業も、この世に存在しないのであれば、たしかにそれは拱手傍観の口実となる。 しかし破滅が切迫している段階では、いかなる傍観の口実も無用である。 
B.Russell 『人生についての断章』 (部分抜粋) 転用者は必ず原典を確認のこと!





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posted by Vigorous at 21:54| 社会学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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