2010年03月30日

No.667 『バランスの崩壊』

   未来の人間社会が満たすべき倫理条件とは、自由と開放性である。 十分な自由と十分な開放性 (多様性) をいかにして両立させるか? 二つの条件をいかにして同時に獲得するのか? 
  自由と開放性の間には、しかし、一般的には背反な関係がある。 開放の度合いを上げ、多様な人々を共存できるようにするためには、自由は制限されなくてはならない。 多くの自由を享受するためには、その脅威となりうる他者は少ないほどよく、極論すれば、一人でいるときこそ最も自由であるとすらいえる。 
  とはいえ、少なくとも本質的に重要な自由と、困らぬ程度に十分な解放性との間には、適当なバランスがありうる、と長い間信じられてきた。 しかし、こうした信頼の崩壊こそが、現代のグローバル化した社会の特徴なのである。 
大澤真幸 『逆接の民主主義』





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posted by Vigorous at 20:59| 社会学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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