2010年02月25日

No.644 『自由と社会原理』

   近代の 「自由」 は、個々人の欲望の多様な特殊性の実現に向かうが、この個別的な 「自由」 の追求が、社会の総体としての 「善」 の実現につながるような状態 (一体性) にこそ、自由の本質の現実性がある。 つまり、この状態の実現にこそ 「世界の究極目的」 があり、したがって 「近代国家」 の最後の目標もそこにある。 そうヘーゲルは言うのだ。 
  ヘーゲルでは 「自由」 は単なる欲望の開放を意味しない。 ヘーゲルの体系では、世界はそもそも 「精神的存在 (絶対精神) 」 であり、人間精神はこの絶対精神の個別態である。 人間の 「自由」 は、自分自身を絶えずより普遍的なものへと展開させようとする精神の本性なのである。 ルソーやニーチェと同じく、ヘーゲルにおいても、人間精神の内的な自由はなにより重要なものだった。 この内的自由の本質が、各人において実現する可能性を持ちつつ、しかも社会的な矛盾や軋轢となって現れないような社会原理が存在するはずであり、それを構想しなければならない。 ここにヘーゲルの社会哲学の中心点があった。 
竹田青嗣 『人間の未来』





検索用kwd:
posted by Vigorous at 21:20| 指導者、政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
カテゴリ



注意
◆ このブログの内容は引用が中心ですが、知識の切り売りを目的としたものではなく、投稿者の備忘録として作成されています。皆さんは、ここに書かれた引用のみで満足することなく、なるべく原典に触れる習慣をつけてください。
◆ このブログでは、投稿者が独自に調査したデータや、知人から伝え聞いたエピソードなどが掲載されることがありますが、そのまま受け売りにせず、皆さん自身が事実関係を調査し、記事の真偽を見極めることができるように努力してください。
◆ ここは金言や名言を羅列することを目的にしたサイトではありません。どんな金言や名言も、羅列したとたんにただの展示物になってしまいます。長い引用も短い引用も、じっくり噛み締めて味わい、あなたの財産にしてください。アーカイブも一度にすべて読むのではなく、毎日少しずつ読むようにすると良いでしょう。



QRコード

リンク集
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。