2009年12月14日

No.585 『フロイトの深層心理学説』

   フロイトの思想のいちばん大きなところは、それまで人間にとって動かしがたい 「自然」 であった 「無意識」 と 「身体」 を、動かしうるものに変えたことにある。 それまで人間の欲望や感受性は、生まれつきのものであり、動かしがたい絶対的なものと考えられていた。 世の中には、生まれつき明るい人や暗い人がいるように、生まれつきの善人と悪人がいる。 それが人間の性質というものに対する一般的な了解だった。 ところがそれは、関係的な構造だと見なされるようになった。 ということは、人間は必要なときに、一定の仕方で、自分の欲望や感受性に対してある態度をとることができる。 そういう新しい了解が作り出されたということなのだ。 この点に、フロイトの創始した深層心理学説の一番重要な核心があると、私は思う。 
竹田青嗣 『哲学ってなんだ』





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posted by Vigorous at 20:28| 哲学・宗教 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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