2009年12月07日

No.582 『クラブや団体について』

   私自身も実はあるクリケットクラブと別の地域のフットボールクラブの副会長をしているが、クリケットやフッドホールを自分でするくらいなら死んだ方がましだと思っている。 私は今までに、所属する団体の数が6つ以下の人に会ったことがない。 どんなクラブのどんな集まりも、判を押したように同一である。 どんなクラブにも他の会員より幾分金持ちで威厳がある会長がいるが、彼はそのクラブの本来の設立の趣意たる大目的には必ずしも他の会員ほどの興味を示さない。 私としては当面実現が非常に困難なある種の改革を唱えて現に生計を立てている熱烈で知的な無数の青年男女が、万一魔術の力で彼らの唱道する様々な施策が実現した暁には、一体どんな境遇になるのかを考えると、身の毛がよだつ思いである。 失業者は危険なまでに増大しよう。 団体の理事のモットーは「希望に満ちた旅程は、到着よりも一層意義深い」とすべきである。 なぜならば、到着はすなわち破滅を意味するから。 だが理事は常時、最善を尽くさねばならない。 世の人々は誰もが、何らかの改革を望んではいるものの、ある団体が唱える特定の改革を望む人間は非常に少ない。 世の人達は、驚くほど宣言に鈍感である。 私かつて、「木の実を食べる会」の名誉書記に会った。 彼女は、「あなたは、プラハの死にそうになった結核患者が木の実を一生懸命食べて、一ヶ月もたたないうちにチェコスロバキアのヘビー級チャンピオンになったのを知らないとでも言うのですか?」と叫んだ。 私が、自分はヘビー級チャンピオンになる気はないと言うと、彼女は、試験中に軽率にもビフテキを食べて、ケンブリッジ大学の数学科の首席になりそこねた学生の実例を次から次とあげ始めた。 樹上で生活をしていた人類の祖先は、木の実を常食としていたためにさぞかし数学ができたことであろう。 
B.Russell 『人生についての断章』 (部分抜粋) 転用者は必ず原典を確認のこと!





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posted by Vigorous at 22:59| 人生 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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