2009年12月01日

No.578 『分業と資本主義』

   『国富論』の冒頭で、アダム・スミスは、彼が目撃したあるピン作りの製造工場における 「分業」 の様子を、印象的な仕方で描き、分業が生産力を増進させる理由として次の3点を挙げている。 
  @個々人の技能の熟練
  A仕事の転移における時間の節約
  B分業の専門化に伴う専門機械の発明、進歩
  このうち特に重要なのは、Bである。 
  スミスがここで直観しているのは、分業だけが、従来の自然な生産力の発達では考えられない 「爆発的な」 生産性の増加を可能にするということ、つまり、分業だけが、社会生産を飛躍的に増加させ、そのことによって一般民衆の生活を向上させる希望の原理となるだろう、ということである。 
  人々は個別的には貨幣を増やすことでしか財を増やすことができない。 しかし社会全体としては、分業の促進だけが、総体としての富の増大を可能にする。 近代国家は、人類史上初めてこのような生産のシステムを作り出したのだが、このことが資本主義のもつ第一の社会的本質である。 
竹田青嗣 『人間の未来』





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posted by Vigorous at 22:04| 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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