2009年11月17日

No.566 『価値増殖のメカニズム』

   商品が生み出され、人々はそれを消費する。 人々は商品につけられた価値を、同じ価値の貨幣によって買う。 ここでは等価交換ということが原則になっているので、誰でも大きく損をするわけではない。 しかし資本主義とは、お金がお金を増殖させるシステムである。 資本家だけが生産手段を所有し、そのことで自分の貨幣を増殖させることができる。 いたるところ自由かつ公正な取引が行われているはずなのに、なぜ、その結果が、富の配分の偏在、格差の巨大な拡大となるのか。 つまり、単なる 「貨幣」 が自分自身を増やすもの、すなわち 「資本」 となる秘密は何か。 これが第一におかれた問いである。 
  あらゆる商品の一般的価値は、それが作り出されるのに必要な平均的な労働時間によって決まる。 ところで、労働者の 「労働力」 もまた一つの 「商品」 として流通するが、ここでは労働力だけが、他の商品とは違った独自の性格を持つ。 つまり、労働力はある財に自らを付加することで、その財の価値を大きく増大させるような商品なのである。 たとえば原材料100円の財に労働を加えることで、200円の価値 (価格) の商品が作られるとする。 これが製造過程で起こることだが、この場合、労働者の労働力の価値 (価格) は、労働者が自分の体力を再生産するのに必要なコストであり、たとえばそれは50円である。 残りの50円は資本家が取り、こうして価値の増殖が成立する。 これが貨幣の価値増殖 (余剰価値) の基本のメカニズムである。 
竹田青嗣 『人間の未来』





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posted by Vigorous at 21:55| 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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