2009年09月07日

No.509 『ヘーゲルの 「自由」 』

   ヘーゲルがつかみだした優れた哲学的原理はたくさんあるが、そのうちでも最も重要なのが、人間の本質を 「自由」 とおいた上で、この 「自由」 の本質を 「自己意識の自由」 と規定したことだ。 
  「自己意識の自由」 とはどういうことか。 ひとことで言うと、人間は誰でも、 「自分を大切に思いたい」 「立派で素敵な私でありたい」 という本性的欲求を持っているということだ。 現在の言葉では、 「自己アイデンティティ」 というのがほぼ当たっているが、 「私への欲望」 と言ってもよい。 
  人間はもともと自由だというのではないが、その精神の本性は 「自由」 たろうとすることにある、とヘーゲルは言った。 この 「自由たろうとする」 ことの中身が、まず 「自己意識への自由」 、 「私への欲望 (=自己欲望) 」 なのである。 
  ヘーゲルによれば、人間の 「自己意識の自由」 には一つの逆説がある。 それは、 「私への欲望」 は自己価値への欲望だが、しかしそれは 「他者の承認」 ということを通してしか実現しない、ということだ。 つまり、人間の 「自己意識の自由」 への欲望は、親や友達や世間の人間たちとの間での 「承認ゲーム」 を通してしか実現しないのだ。 これは誰にも分かるはずだ。 
竹田青嗣 『哲学ってなんだ』





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posted by Vigorous at 20:41| 哲学・宗教 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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