2009年08月01日

No.0473 『ビジネスとしてのコーチング』

   「自己責任だから弱肉強食はしかたない」 という論理を押し通してくる社会とは、じつは構造的な矛盾を個人に押し付けてくる社会であるともいえます。 そのためアメリカでは、多くの人が精神分析をじめとするカウンセリングを受けています。 そういうものがなければ、日本の生活を維持するのも難しいということですこの先、日本でも同じ傾向が強まっていくとすると、カウンセラーやコーチのような存在が職業的に増えていくでしょう。 精神のあり方やライフスタイルを主導してくれる人、あるいは話を聞いてくれる人が、一人あたり二、三十人のクライアントを抱えて生計を立てるというようになるかもしれません。 
  日々の選択の基になる精神のあり方というものは、かつては親や先輩の助言によって、あるいは友人同士のおしゃべりの中から方向が見えてきたものです。 ところが今の親は、相談に乗りたい気持ちはあるにせよ、あまり自分から助言しません。 時代の変化が急なため、有用なアドバイスができないことを自覚しているからです。 だからコーチのような存在に頼らざるを得ないわけです。 
  これはビジネスですから、お金の支払いが必要になります。 つまり、苦しい人、収入の少ない若者から、さらにお金を吸い上げるシステムが稼動しているわけです。 自分のもっとも大切な問題について、お金を払って他人に相談しなければやっていけないという事態は、経済的にもつらい、精神的な弱さ、立場的な弱さが露呈しているわけです。 
齋藤孝 『なぜ日本人は学ばなくなったのか』





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posted by Vigorous at 18:34| 教育、心理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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