2009年07月30日

No.0471 『人格の陶冶』

   かつて、学ぶとは、人としての道を修めることであり、それはすなわち人格を陶冶することに他ならなかった。 人々は、知識よりも、心のあり方や、身の処し方を、情報としてではなく、血肉として身につけるべく努力したのである。 学んだ者が尊敬されるのも、知識だけではなく、人格的にも鍛錬を積んだ者とみなされたからである。 
  そうした歴史から見ると、今の学問のあり方というのは、ちょっと寂しいものを感じる。 勉強や研究と、人格的な鍛錬とは、まったく無縁のものとなってしまった。 マークシートで、正答か誤答かだけを判定する教育は、やはり何か大切なものを切り捨てているように思えて仕方がない。  (中略) 
  一方で、自分の生き方を必死に模索し、真剣に自分探しをする人が増えている。 それは、生きづらさを抱えて暮らしている人が増えていることの表れでもあろう。 再び、人々は知識や情報ではない、本当の知恵や心のありようを求めているのである。 世の中に皮肉な情報が溢れれば溢れるほど、人々の心の空虚は深まり、人々は、自分の心を本当に満たしてくれるものが別であることを痛感するようになるだろう。 そのとき、自分にふさわしい生き方に出会えるために役に立つのは、自分自身を知ることである。
岡田尊司 『パーソナリティ障害』





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posted by Vigorous at 21:55| 教育、心理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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