2009年07月25日

No.0467 『シャルガフの法則』

   DNAの対構造は、AとT、CとGという対応ルールに従う。 つまり、DNAは、単なる一本の鎖として存在するのではなく、センス鎖、アンチセンス鎖という、相補的な鎖のセットとして存在しているのだ。 
  これは生物学的にどのような意味を持つのだろうか。 それは情報の安定を担保するということにつきる。 
  DNAが相補的に対構造をとっていると、一方の文字列が決まれば、他方が一義的に決まる。 あるいは二本のDNA鎖のうちどちらかが部分的に失われても、他方をもとに容易に復元することが可能となる。 事実、DNAは日常的に損傷を受けており、日常的に修復がなされている。 この情報保持のコストとして、生命はわざわざDNAをペアにして持っているのだ。 (中略) 
  この相補性は、部分的な修復だけでなく、DNAが自ら全体を複製する機構をも担保している。 二重らせんがほどけると、センス鎖とアンチセンス鎖に分かれる。 それぞれを鋳型にして新しい鎖を合成すれば、そこにはツーペアのDNA二重らせんが誕生する。 これが、生命の自己複製システムである。 
  ここに、生命とは、自己複製を行うシステムである。 との定義が生まれる。 そしてこのことは、DNAが持つ美しい二重らせん構造に明確に担保されている。 構造がその機能を体現する。 
福岡伸一 『生物と無生物のあいだ』





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posted by Vigorous at 23:38| 自然科学、環境 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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