2009年07月04日

No.0446 『キルケゴールにとっての 「人間の本質」』

   人間にとっては、 「絶望こそが普遍的である」 とキルケゴールは 『死に至る病』 で言う。 つまり、人間の本質は 「絶望」 ということにある、というのが彼の人間本質の 「原理」 である。 ふつうの人間の生活上の原理は 「日々の小さな可能性」 にある、とキルケゴールは言う。 明日、彼女に会えるとうれしい。 お小遣いがもらえるとうれしい。 あさってはピクニックだ。 もうすぐ夏休みだ、.....。 そんな日々の小さな可能性の繋がりの中で、人間は生きている。 でもあるとき、恐るべきことに誰でも気がつくことになる。 人はどこかの時点で、死という絶対的な終わりを迎える、ということを突然実感する。 ひとはこの決定的な 「絶望」 に向かって生きているとは言えないだろうか。 そのような意味で、 「絶望」 こそが人間の本質である。 そしてキルケゴールの 「絶望」 とは、よく考えてみると、いわば信仰という超越性を失った人間の、生の意味の喪失という問題を意味している。 
竹田青嗣 『哲学ってなんだ』





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posted by Vigorous at 17:50| 哲学・宗教 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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