2009年06月23日

No.0436 『社会主義と資本主義、そして...』

   社会主義は、資本主義の根本矛盾は私的所有と自由競争にあると考え、これを禁止することではじめてその矛盾を克服できると考えた。 しかしこの原理は決定的な弱点を持っていた。 ここではまず 「自由競争・私的所有」 の断固たる禁止が絶対的な前提になるので、政府の巨大な権力が必要になる。 だが、この政治権力の権限は自由な個人としての各人には開放されない。 なぜなら、ルール決定の権限を一般人民に開放したら、自由競争と私的所有の禁止は成り立たないからである。 
  だから社会主義では、ルール権限は社会主義政党が独占しなくてはならない。 このため一つの明確なパラドックスが生じることになる。 「平等」 な社会を作るために 「自由競争」 を禁止するには、各人の政治的、社会的 「自由」 をも禁止するほかない。 だが、それでは元も子もなくなる。 つまりこのプランでは、 「平等」 は 「自由」 と両立しないのである。 (中略) 過剰な競争原理を生み出した現在の資本主義は、ほんとうの意味での人間の 「自由」 という本質を実現する上で、大きな障壁になっている。 だから、各人を 「自由な個人」 として保障する 「市民社会」 の原理を確保しつつ、しかも資本主義の過剰な競争原理を克服するような新しい考え方を作り出さなくてはならない。 それがこれからの思想世代の重要な課題であると思う。 
竹田青嗣 『哲学ってなんだ』





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posted by Vigorous at 21:06| 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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