2009年06月14日

No.0428 『自然人』

   ルソーによれば、集団で暮らす以前の状態の人間 (「自然人」) は善良であり、あらゆる悪徳は、人間が集団で暮らして文明を発展させたことにその原因があります。 ここで、 「自然人」 についてのルソーの想定が真実かどうかを議論するのは不毛なことです。 そもそも確かめようのないことですから。 本当に重要なのは、自然人がいたかどうか、それが善良なのかではなく、そう考えたときに何が見えてくるのか、ということです。 
  人間はもともと単純かつ善良である、しかし共同の生活によって虚栄心と利己心が生まれ、それによって人間は本来のあり方からそれ、ねじ曲がり、自らの自然を失ってしまう。 これがルソーの答えでした。 しかし私たちは、その答ではなく、その問いかけをこそ受け止めるべきでしょう。 
左近司祥子編 『西洋哲学の10冊』





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posted by Vigorous at 21:24| 哲学・宗教 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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