2009年05月26日

No.0413 『昭和三十年代ブーム』

   昭和三十年代には、下層の悲惨のうちに、到来すべき救済を見ることができるような視点が存在しており、当時を生きた者たちは、そうした視点を我が物にしつつ、自らの下流的な現実を生きていた。 昭和三十年代ブームにおいて人々が憧れているのは、三十年代の現実そのものではない。 その現実を眺める当時の人々の視点、その現実を救済への過程としてしっかりと捉えることができる当時の人々の視点に、われわれは憧れているのである。 
大澤真幸 『不可能性の時代』





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