2009年05月10日

No.0401 『経験論とカント』

   雑多な感覚データと向き合い、それらを 「因果関係」 等の一貫的で合理的な脈絡で結びつけ、一個の認識に仕上げる能力を 「知性 (悟性) 」 といいます。 感性が 「直感」 の能力であるのに対して、知性は考える能力です。 考えるための手段を 「概念」 といいます。 人間の認識は感性 (直感) と知性 (概念) の合作なのです。 
  この点でカントはロックらのイギリス経験論と袂を分かちます。 すなわち、経験論はすべての認識の起源を経験に求め、今日の発達心理学的な用語で言えば、学習に帰しました。 しかし各個人の学習が人間一般の一致した認識に到達するには、そうなるための知性の素地が前提されなければなりません。 そのような経験には帰せられえない、肝心の知性のアプリオリな素地と仕組みを問題にするのが 『純粋理性批判』 です。 その意味で、経験論はカント哲学が始まる地点で終っていると言えましょう。 
左近司祥子編 『西洋哲学の10冊』





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posted by Vigorous at 19:37| 哲学・宗教 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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