2009年04月10日

No.0376 『哲学を学ぶとは?』

   ギリシャ時代と現在とでは、経済活動への関心がまるで違います。 当時の哲学者は経済に重きを置かなかったので、時代の価値観から離れ、もう一度人間を見つめ直すことが容易にできたのです。 あるいはルネサンスというのも、その真意は人間性を取り戻すという文化の復興にありました。 こうして古くから始まったヨーロッパの哲学の伝統を、その後の時代に生きる人は繰り返し経験し、深さを重んじた自己形成を行うことができたわけです。 
  哲学を 「学ぶ」 ということは、単に哲学を勉強するだけではなく、自分の思考の基本スタイルをつくる作業でもあります。 (中略) 
  経営者の場合、強靭な精神が求められます。 一般の人々には考えられないほど、心身とも疲れる激務です。 途中で休むとか、具合が悪いから誰か交代してと投げ出すわけにはいきません。 そのとき、自分自身がぶれない中心というものを持っている。 あるいは判断力の基礎を養っているという自信があれば、それを原動力としてさまざまな障害を乗り越えることができます。 教養主義をくぐり抜け、そういう実感を共有している経営者の最後の世代が、現在はもう八十歳代になっています。 
  彼らは、日本経済がもっとも発展した時代に会社を経営してきた人たちです。 その意味では、きわめて大きな実績を残したといえるでしょう。 その人たちの基礎に哲学があるということを、現役世代は看過してはいけないと思います。 
齋藤孝 『なぜ日本人は学ばなくなったのか』





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posted by Vigorous at 21:45| 哲学・宗教 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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