2009年03月27日

No.0359 『米国と日本のアイデンティティ』

   アメリカでは、愛国心を持つことがほとんど百パーセントの善とされています。 逆にいえば、それによって連帯感を持たせなければ、バラバラなる危険性がある。 それほど、さまざまな地域からさまざまな人々が集まった国であるということです。 
  もっとも、アメリカの若者たちは、いろいろと自国の文化を批判して従来の伝統を否定する一方で、新しい価値をつくり上げていきました。 これはまさにアメリカという国の大きな存在理由であり、特徴でもあります。 つまり若者たちは大人の文化を否定しているように見えながら、じつはもっともアメリカ人らしい行動をとっていたわけです。 しかも彼らは 「そうしている俺たちはかっこいい」 と自負し、 「そういう認識を保障してくれるアメリカはいい国だ」 と思っている。 その意味では、アメリカは愛国心を抱きやすい国であるともいえます。 自分がアメリカ人であるというアイデンティティを持ちやすいはずです。 
  一方、日本では、素直に愛国心を持てない雰囲気がありました。 左翼的な思想を持つ人によって、 「愛国心」 が右翼的な発想であり、そのまま軍国日本の復活になると喧伝されたためです。 また、戦前の軍国主義に対する嫌悪感から、愛国心という言葉には拒否反応がありました。 おかげで、日本を讃えたり、日本人であることに誇りを持つといったアイデンティティはつくりにくくなったのです。 
齋藤孝 『なぜ日本人は学ばなくなったのか』





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