2009年03月23日

No.0352 『若者の異性間の評価基準の変化』

   かつてバブル時代には、背が高い、学歴が高い、収入が高いという 「三高」 がもてはやされていました。 それが現在は、イケメンかどうか、つまり見た目がよいことが非常に重んじられ、学歴や収入が高ければモテるという甘い時代ではなくなってきました。 (中略) 
  本来、日本人の身体は、腸が長いために胴長・短足です。 そのほうが着物を着たときはサマになるし、重い刀を日本差して速く移動するにも便利です。 あるいは相撲をとるにも重心が低いほうが安定しているし、田植えをするにも腰に負担をかけません。 生活や風土を考えれば、意外と理に適っているわけです。 明治時代にも、欧米化は盛んに行われ、その影響も大きかったわけですから、見た目も欧米にならう傾向があっても不思議ではないはずです。 しかし当時の日本人は、自分たちの胴長・短足に対してコンプレックスを持ったりはしませんでした。 それより、知的な能力や向上心をフルに活用し、彼らの文化に追いつくことに精神を集中していたのです。 またこうして向上心を持っている人こそすばらしい、という価値観が男性同士の間で共有されていたし、女性から見た評価も同様でした。 結婚するときも、見合いがほとんどだったため、見た目のよさはそれほど問題にならなかったのです。 
  しかし戦後、若者の異性間の評価基準として、見た目の比重がどんどん増していったのです。 2000年以降、この傾向はますます加速しています。 性は一見自由化しているようですが、 「性の平等」 は実現されていません。 「富の不平等」 に似て、持てる者と持たざる者の差が非常に大きくなっています。 単純にいえば、女の子の八割を二割の男の子が独占している状況です。 あるいはもっと過酷かもしれません。 フリーになったからといって、平等になったわけではないのです。 
齋藤孝 『なぜ日本人は学ばなくなったのか』





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