2009年03月17日

No.0339 『アウグスティヌスとアンブロシウス』

   マニ教は3世紀のペルシャのマニが創始した宗教です。 キリスト教、仏教、ゾロアスター教を融合した教義で、二元論を説き、その影響は中央アジア、中国を経て日本にまで及んでいます。 この世界は善と悪とからなり、世界のいたるところに善と悪が入り混じっている。 一人の人間の中にも、善と悪が含まれている。 だから、人間は善いこともするが悪いこともする。 悪いことをするのは、人間の中にある悪がさせるのであるから、人間そのものは悪くない。 
  表面的には人間の善さを認めているように見えるマニ教が、じつは悪の責任をごまかしているとアウグスティヌスが気づくためには、十年近い年月が必要でした。 マニ教に疑問を持ち始めていたアウグスティヌスが出会ったのは、ミラノ教会のアンブロシウスでした。 アウグスティヌスは、アンブロシウスが説教の中で意志の自由決定が悪の原因であると説明するのを聞きました。 意志の自由決定が悪の原因であるとは、意志以外に悪い行為の原因はないということです。 人間は何かに強制されて悪を選ぶのではありません。 自ら悪を選ぶのです。 だから悪の責任はすべて自分にあります。 自分は自らの意志で自らの行為を選ぶことのできる存在者であることをアウグスティヌスは理解しました。 しかし同時に、自分が必ずしも自らの意志で行為を選んでいないことにも気づいたのです。 
左近司祥子編 『西洋哲学の10冊』





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