2009年03月16日

No.0337 『ロックミュージック』

   音楽は麻薬に似ているというわけです。 音楽を聞くのには努力も才能も徳も不要。 要するに努力なくしてもエクスタシーを味わうことができる、ということです。 
  エクスタシーとは、かつては地道な努力の果ての達成感から得られると考えられていました。 ちょうど登山のようなものといえるでしょう。 単純に一歩一歩進んでいくことによって、最後にパノラマ的風景を味わうことができる。 こういう感覚が共有されたのが、書生文化や教養文化です。 しかしロックミュージックによって得られる快楽には、努力の必要がない。 脳の興奮状態を、地道な努力とは無関係に得ることができてしまう。 そのことが、本を読んで自己形成していくという活動を困難にしている。 
  快楽が簡単に手に入るのであれば、苦労して山登りをする必要はない。 
  だれでも易きに流されやすいものです。 楽なほうがいいといった主張は、それを正当化する論理が与えられたことによって、異常な加速を見せました。 努力しないで脳の興奮状態を味わう、 「気持ちいいことが好き」 という方向に単純されていったわけです。 
齋藤孝 『なぜ日本人は学ばなくなったのか』





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