2009年03月07日

No.0319 『家族崇拝について』

   常日ごろ世襲の栄誉を誤りと信じている私は、こと私自身に関して肩書で呼ばれるのを避けるためにあらゆる努力を傾けてきた。 家族崇拝はそれがあやまった価値基準や社会的不平等の容認に結びつく場合、由々しい悪となる。 父親の七光でちやほやされる人間は、有意義な努力をしようとする正常な動機を失ってしまう。 そのような人間は自分が名門の家に偶然生まれた事実を不当に過大評価する人生観を身につけ、自分がただ生きているだけで周囲の尊敬を要求する資格を持つ、と思いがちである。 自分は他の人間よりも優れていると思うゆえに、逆に彼らより劣ることになる。 本人に固有な長所にもとづかない栄誉はすべて、性格形成に悪影響を与える。 したがってこの理由一つだけからでも、ぜひ廃止すべきものである。 父親がいかに優れた人物であろうとその二代目であることは、何ら当人の手柄ではない。 アメリカの国内においてさえ、社会的に名門の出であれば、たとえ馬鹿であろうとほら吹きであろうと、大勢の人がその人物の言葉を拝聴するに反し、称号を持たない貧乏な人間が世の注目を集めるには、並外れた知性の持ち主でなければならない。 これらはすべて馬鹿げたことであり、馬鹿な考えをいっそう世に広める役にしか立たない。 
B.Russell 『人生についての断章』 (部分抜粋) 転用者は必ず原典を確認のこと!





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