2009年03月05日

No.0316 『演技性パーソナリティ障害者』

   演技性パーソナリティ障害の人は、自分の前にいるものを魅了し、驚かし、注意を惹きつけることが、自分の存在を保つために、何よりも重要と考えるのである。 そのために、自分自身であろうとするより、周囲にアピールする役割を演じてしまう。  (中略)
  演技性パーソナリティ障害の人にとって、他者の目、他者の評価こそが重要なのである。 だが、ナルシストのように、生身の自分そのままで勝負するほど、自分を愛しているわけではない。 彼らは、自分が空想する幻の自分を作り出し、それで勝負しようとするのだ。 あたかも、その空想の中の自分が、現実の自分であるかのように錯覚することで。 
  当然、空想と現実とのギャップが生じてしまう。 それらを彼らは演技や嘘で穴埋めするのだ。 そのため、虚言も演技性パーソナリティ障害でよく見られるものである。 それは、他者を魅了するために必要な小道具のようなものだ。 自分の嘘に酔って、半ば信じてしまうのもこのタイプの特徴だ。 虚言の内容は、相手に心理的なインパクトを与えるものでなければならない。 演技性パーソナリティ障害の虚言は、相手を騙すというよりも、虚言が引き起こす相手の反応に、本人は酔いしれるのである。  (中略) 
  演技性パーソナリティ障害の人は、絶えず他者を魅了するが、ことに異性を魅了することに熱心である。 それは、魅了するために魅了するだけであり、愛することとはほとんど無関係な行為である。 相手をうっとりさせ、心を射止め、素敵な一晩を過ごせば、それでショーは完結するのだ。 演技性パーソナリティの人は、頭の先から足の先まで、性的な存在である。  (中略) 
  何かの弾みで結婚することもあるが、やがて自分の間違いに気づく。 このタイプの人は、次々と新しい観客を魅了する必要があるのだ。 それを禁じられると、すっかり元気がなくなってしまうのである。 性的に誘惑するわけにはいかない同姓の友人との関係は、とかく表面的なものとなりがちである。 
岡田尊司 『パーソナリティ障害』





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