2009年02月16日

No.0282 『テレビによる「フラット化」』

   社会のフラット化を助長し、象徴しているのがテレビです。 バラエティ番組では、いかに教養がないか、バカであるかを競い合うようなものが放映されています。 視聴者はそれを見て楽しんだり安心したり。 いわば知性のないこと、あるいはそれを逆手にとって開き直る姿が、 『強さ』 として写るような時代になっているわけです。 
  私も出演を依頼されることがありますが、民放のバラエティ番組の場合、引きずり下ろされる危惧をしばしば抱きます。 私は大学の教員なので、知性や教養を職業的に磨いている者として出ます。 そういう人間をいかに普通の人間のように引きずり下ろして見せるか、という意図を制作者側に感じることがあります。 たとえば、成功した場合と失敗した場合があるとしますと、編集で残されるのは、たいてい後者です。 コメントでも知的なものはよくカットされ、感情的な要素の強いコメントや表情が放映されます。 要するに、大学で教えているような人間が失敗する姿を見たい、という意識が視聴者の側にあるわけです。 
  つまり、テレビはあらゆるものをフラット化して見せることにカタルシスを見出している。 これは昨今の日本全体を覆う空気のような気がしてなりません。 
齋藤孝 『なぜ日本人は学ばなくなったのか』





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