2009年02月03日

No.0255 『共感しても軸足をとられないこと』

   受容や共感も当然必要であるが、、常に冷静さを忘れてはいけない。  「可哀想だ」 という同情に溺れることは、援助者の軸足を奪われることになり、いつのまにか感情の渦に巻き込まれてしまう。
  その意味で、愛情や保護を惜しみなく与える母性的な接し方には、しばしば落とし穴がある。 ダメなことはダメとはっきり言い、きちんとした枠組み、制限を設定して、それを守らせることが、境界性パーソナリティ障害の行動と感情のコントロールのためには不可欠であり、そこに求められるのは父性的な対応である。
  受容や共感も最小限の反応に努め、黙って頷きながら聞いているというのがよい。 そこで過敏に、感情豊かに反応しすぎることは、境界性パーソナリティ障害の感情的な起伏を増幅させることになり、かえって不安定にさせる。 そして、常に現実的な問題に視点を引き戻すことが大事だ。 そうした視点を持たない援助者が、話を場当たり的に聞いてしまうと、話をすればするほど、まとまりが悪くなり、不安定になるということが起きる。
  少々のことではびくともしない父性的な存在が、境界性パーソナリティ障害人を落ち着かせていくように思う。
  境界性パーソナリティ障害の増加の背景として、父性的な機能が、今日の社会において弱体化していることが、促進要因の一つとして指摘されているが、そのことも関係しているだろ。 本人の気持ちを大切にするという名分のもとに、今の瞬間の気持ちに振り回されてしまうと、境界性パーソナリティ障害はどんどん悪化していく。
岡田尊司 『パーソナリティ障害』





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posted by Vigorous at 20:21 | TrackBack(0) | 医学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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