2009年01月12日

No.0211 『平等化の実践』

   "未開発国" と "工業先進国"、あるいは一国の中においても、田園・非開発地域と都市地域の間には、単に資源生産と工業生産という "分業化"・経済水準の格差いった不平等だけでなく、先進地域におけるエネルギー消費に伴う廃棄物、とりわけ廃熱の処理が、未開発地域の存在を前提としてのみ成り立っています。 巨大科学技術は、このような差別の前提の上に立って、初めて成り立つ技術であり、しかも、そのことに著しく無自覚です。 たとえば廃熱の処理が自国内だけで行われ、他国に一切影響を与えないという平等の原則が立てられたとすれば、今あるような巨大科学技術は、ほとんど成立しえなくなるでしょう。 このような状況を見るならば、平等化を促すような認識や技術に向けて、科学や技術を目的意識的に方向づけることが、現在、特に必要なことだと思われます。 その場合にも、絶対平等というドグマに拘泥するのではなく、現実の不平等を少しでも減らしていくという実践的方向に、努力を傾けることが望ましいように感じられます。 大切なのは、方向づけとそれを物質化するプロセスなのです。
高木仁三郎 『科学は変わる』





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