2009年01月11日

No.0210 『利口とバカを測る基準』

   利口、バカを何で測るかといえば、結局、これは社会的適応性でしか測れない。 例えば、言語能力の高さといったことです。 すると、一般の社会で、「あの人は頭がいい」と言われている人について、では具体的、科学的にどの部分がどう賢いのかを算出しようとしても無理なことでしょう。 そんなものの客観的、科学的な基準を作るのは難しい。 しかも、無理やり客観的な基準を置いて測るなんとことをしたところで、あまり意味がない。 場合によっては常識と異なる、とんでもない結論が出ることが予想されます。
  例えば客観的に測りやすい「記憶力」。 これを機械的な記憶力で測っていったら、世間でいうところの 「賢い」 人が一番になるわけではない。 大概、一番優れているのは、実は社会生活に適応できないようなタイプの人です。 百桁の数字を、あっという間に全部暗記する、という能力を持つ人は現実に存在しましたが、この人は社会生活不適応者でした。
  何かの能力に秀でている人の場合、別の何かが欠如している、ということは日常生活でもよく見受けられます。 これは脳においても同じようです。
  ある種の特殊な領域で秀でているからといって、 「賢い」 とはいえない。 こう考えると、果たして何で頭の良し悪しを測るべきか、というのは非常に難しい問題だということがお分かりでしょう
養老孟司 『バカの壁』





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posted by Vigorous at 22:41 | TrackBack(0) | 論理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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