2009年01月05日

No.0198 『仕事としての専門家』

   「学習」 というとどうしても、本を読むということのようなイメージがありますが、そうではない。 出力を伴ってこそ学習になる。 それは必ずしも身体そのものを動かさなくて、脳の中で入出力が繰り返してもよい。 数学の問題を考えるというのは、こういう脳内での入出力の繰り返しになる。 ところが、往々にして入力ばかりを意識して出力を忘れやすい。 身体を忘れているというのはそういうことです。
  江戸時代には、朱子学の後、陽明学が主流となった。 陽明学というのは何かといえば、「知行合一」。 すなわち、知ることと行うことが一致すべきだ、という考え方です。 しかしこれは、 「知ったことが出力されないと意味がない」 という意味です。 これが 「文武両道」 の本当の意味ではないか。 文と武という別のものが並列していて、両方に習熟すべし、ということではない。 両方がグルグル回らなくては意味がない。 学んだことと行動とが互いに影響しあわなくてはいけない、ということです。
  仕事が専門化していくということは、入出力が限定されていくということ。 限定化するということはコンピュータならば一つのプログラムだけを繰り返しているようなものです。 健康な状態というのは、プログラムの編成替えをして常に様々な入出力をしていることなのかもしれません。
養老孟司 『バカの壁』





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posted by Vigorous at 19:34| 教育、心理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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