2008年11月28日

No.0118 『ステレオタイプ@』

   彼が事件そのものと思い込んで語っているものが、実はその事件の変形であったりすることが非常に多い。 意識の中にある事実が、与えられた事件そのままである場合はごく少ないように思われる。 意識の中にあるほとんどの事実は、部分的に潤色されているように思われる。 一つの報告は、知ろうとするものと知られるものとの合作である。 観察者役はその過程で必ず「選択」するし、たいていは「創作」もする。 我々が見る事実は我々の置かれている場所、我々が物を見る目の習慣に左右される。
  デューイは、科学の造詣の深い非専門家と専門の科学者が、金属という語に下す定義がいかに異なるかという例を示している。 非専門家の定義は、「滑らかさ、硬さ、艶、輝き、比重の重さ、展延性」など、役に立つ様々な特性を恐らく含むだろう。 一方、化学者は、こうした諸性質はさておいて、金属とは「酸化して塩基を形成するすべての化学元素」と定義するだろう。
  我々はたいていの場合、見てから定義しないで、定義してから見る。 外界の混沌状態の中から、すでに我々の文化が我々のにために定義してくれているものを拾い上げる。 そして拾い上げたものを、我々の文化によってステレオタイプ化されたかたちのままで知覚しがちである。
Walter Lippmann 『Public Opinion』
リップマン 『世論』





検索用kwd:偏見、差別、決めつけ、先入観
posted by Vigorous at 21:21| 社会学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
カテゴリ



注意
◆ このブログの内容は引用が中心ですが、知識の切り売りを目的としたものではなく、投稿者の備忘録として作成されています。皆さんは、ここに書かれた引用のみで満足することなく、なるべく原典に触れる習慣をつけてください。
◆ このブログでは、投稿者が独自に調査したデータや、知人から伝え聞いたエピソードなどが掲載されることがありますが、そのまま受け売りにせず、皆さん自身が事実関係を調査し、記事の真偽を見極めることができるように努力してください。
◆ ここは金言や名言を羅列することを目的にしたサイトではありません。どんな金言や名言も、羅列したとたんにただの展示物になってしまいます。長い引用も短い引用も、じっくり噛み締めて味わい、あなたの財産にしてください。アーカイブも一度にすべて読むのではなく、毎日少しずつ読むようにすると良いでしょう。



QRコード

リンク集
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。