2008年11月14日

No.0079 『嘘をつく習慣の形成』

   一つの習慣として嘘をつくことは、殆どつねに恐怖の生み出したことである。恐怖なしに育てられた子供は、真実を語るはずであるが、それは道徳的に努力しているためではなく、真実を語るまいという考えが頭に浮かんでこないだけのことである。賢明に、かつ親切に取り扱われてきた子供は、率直な眼差しをしており、知らない人に対しても、物怖じしない態度をとる。一方、うるさく小言を言われたり、厳格な扱いをされたりしてきた子供は、叱られはせぬかと絶えずびくびくしており、自然に振る舞った時には、その都度、何か規制に違反したのではないかと怯えている。幼い子供の場合は、嘘をつくこともできるということは、一つの発見であって、それは恐怖に駆られて、大人の顔色を窺うことから生じる。子供は、大人が彼に向かって嘘をつくことや、大人に本当のことを言うのは危険だということを発見する。このような事情のもとに子供は嘘をつくようになる。
B.Russell 『教育論』






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posted by Vigorous at 21:34| 教育、心理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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