2008年11月06日

No.0047 『不機嫌な人間』

   不機嫌な人間は他人の些細な行動にも、その中に自分への軽蔑の意味が込められていないかと神経をとがらす。普通の人なら、そのまま見過ごせる他人の行動を見過ごすことはできない。ことに自分と近い関係にある人の行動はどんな些細なことでもこだわる。朝、新聞を持ってきて家族の者が父親の前にポンと置いたとする。するとその置く態度そのものにこだわる。置き方がぞんざいだと感じて、とたんに不機嫌になる。それでいながら、置いた人に向かって「その置き方は何だ」とは言えない。自分はおおらかな人間でなければならないからである。普通の人なら無頓着でいられることが、どうしても無頓着でいられない。不機嫌な人というのは、それだけ脆い基盤の上に生きているのである。自らの生の基盤が脆くて、ちょっとしたことで、その根本の基盤が崩れてしまう。したがって機嫌のいいときでも何か不安定な明るさしかない。無頓着でいられるためには、他人と自分との間に一定の距離がなければならない。一定の距離があるということは、自分の立場がなければならない。自分の立場がきっちりしている者のみが他人の些細な行動に対して無頓着でいられる。
加藤諦三 『自分の構造』



posted by Vigorous at 22:27| 人間関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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